印象派からその先へ―世界に誇る 吉野石膏コレクション展 ― 2019年11月05日

印象派からその先へ―世界に誇る 吉野石膏コレクション展
三菱一号館美術館へ行きました。
内覧会に参加しました。
写真は特別な許可を得て撮影しています。
世界に誇るコレクションを本格的に紹介する初めての展覧会です。
国内有数のシャガールや、印象派の作品などがみられます。
感想
ジャン=パティスト・カミーユ・コロー
浅瀬を渡る山羊飼い、イタリアの思い出
1872年
コロー好きなので見られてうれしかった。コローの黒に近いこげ茶のような木々の表現がすき。淡く色づいた空に黒い木々が映え、印象的に配置されている。静かで心穏やかになる。
アルフレッド・シスレー
ロワン川沿いの小屋、夕べ
1896年
川面に木々が映っている。深い色。たっぷりした水が美しい。

シスレーが亡くなった時モネの呼びかけで開催された展覧会・オークションに、このシスレーの「ロワン川沿いの小屋、夕べ」は、ルノワールの「箒を持つ女」と共に出品されました。時を経て今回の展覧会で同時に見ることができます。

ピエール=オーギュスト・ルノワール
庭で犬を膝にのせて読書する少女
1874年
印象派の筆致を残して光の効果を追求する技法。まばゆい木漏れ日と少女の髪、ドレスが溶け合う。眩しい。

ピエール=オーギュスト・ルノワール
シュザンヌ・アダン嬢の肖像
1887年
パステルで描かれている。
顔は伝統に回帰してきちんと描いている。ドレスや髪は印象派の色の混ざりや光やふんわり感がみられる。これまでの経験のいいとこどりをしてる感じ。やさしい。

クロード・モネ
テムズ河のチャリング・クロス橋
1903年
ロンドンの大気のなか走る列車。
淡いオレンジの日差しとロンドンを覆うブルーの大気が雰囲気あってすてき。
クロード・モネ
サン=ジェルマンの森の中で
1882年
森の中の道、木々のトンネルとカラフルな落ち葉。メルヘンチックで優しい色合いがすてき。いいなあ。
アルベール・マルケ
コンフラン=サントノリーヌの川船
1911年
なめらかな絵具の乗りがきれいだ。広角の画面の構成が効果的。
手前に直近の土手の草むら、川に浮かぶ船、遠くにかかる橋。その上に行く荷物をひく馬がかわいい。
セザンヌ、マネ、ピカソ、カンディンスキーなど色々みられます。見ごたえありました。


楽しかったです。
ありがとうございました。
2020/1/20まで。

コートールド美術館展 ― 2019年11月08日

コートールド美術館展
魅惑の印象派
東京都美術館へ行きました。
めったに貸し出しされない印象派・ポスト印象派の名作が、美術館改修工事のため来日中です。
マネのフォリー=ベルジェールのバーがみられるなんて♪と楽しみにして行きました。
感想
ポール=セザンヌ
レ・スール池、オスニー
1875年頃
ペインティングナイフで描かれている。風に流れる緑。力強くうねった木の幹、木々の映る池。いいな。
ポール=セザンヌ
大きな松の木のあるサント=ヴィクトワール山
1887年
山の存在感。手前の松の木を躍動させて山の存在を際立たせている。
ポール=セザンヌ
鉢植えの花と果物
1888-1890年頃
いくつかの視点が組み合わさっている。果物は丸く立体的、ひとつは転がり出てきそう。鉢植えは平面的。果物を引き立ててる。挑戦的な静物画だ。
ポール・セザンヌ
キューピッドの石膏像のある静物
1894年
躍動的な静物画!
ウジェーヌ・ブーダン
ドーヴィル
1893年
雲がもくもく、力強い。画面から空気が溢れ来るよう。
クロード・モネ
秋の効果、アルジャントゥイユ
1873年
船の上から描いている視点。モネはドービニーに倣いアトリエ舟を使っていた。
黄金に紅葉した木々が左右に水面に映って美しい。黄金に見える木々はピンク、オレンジなど色が混ざっている。穏やか。
ピエール=オーギュスト・ルノワール
春、シャトゥー
1873年
すき!
春の若葉の香り、白い小花の香り。この草むらにダイブしたい。あちらの木々の穴にセーヌ川が見え、川から風が来ていそう。ヨットが浮かんでる。少年かな、そちらを見てる。この絵には大切な存在だな。
ピエール=オーギュスト・ルノワール
桟敷席
1874年
当時のトレンド満載のファッション。
エドゥアール=マネ
フォリー=ベルジェールのバー
1882年
マネが亡くなる前年1882年にサロンで発表した絵画。
思ったより大きい!
赤く高揚した顔の女性、バーメイド。丹念に描かれている。カウンターの酒瓶、フルーツも丹念に描かれている。表面でみえているもの。
鏡のなか、彼女と男性が向き合ってる。こちらは彼女の現実の世界か。華やかな座席の人々や空中ブランコの足。
彼女のなかではすべて止まっているよう。うつろな目だ。社会の実情を描くマネの風刺が表現されているように感じた。
マネの世界が一枚に詰まってる。まさに最晩年の大作だ。見られてよかった。
すてきなコレクションでした。行ってよかったな。
久しぶりに図録を購入しました。

楽しかったです。
ありがとうございました。
12/15まで
みえないかかわり イズマイル・バリー展 ― 2019年11月10日

みえないかかわり
イズマイル・バリー展
銀座メゾンエルメス フォーラムへ行きました。
撮影は許可を得ています。
インスタレーションは、映像、オブジェ、ドローイングなどで構成されています。


おもしろいなー。とか、あ・これすき。と思う作品がありました。
はかなげでありながら確かに存在してるもの、少しずつかたちを変えながら流転していく様子、いつかどこかで見た景色、、など連想したりして。
自分のなかの感覚と共鳴するものがあって、楽しかったです。
2020/1/13まで
北斎 視覚のマジック 小布施・北斎館名品展 ― 2019年11月18日

北斎 視覚のマジック 小布施・北斎館名品展
すみだ北斎美術館へ行きました。
プレス内覧会に参加しました。撮影は特別な許可を得ています。
北斎は晩年、信州の小布施を訪れていました。今回は小布施・北斎館の名品を前期・後期で約130点、東京でみられる貴重な機会です。
感想
肉筆画がたくさんありました。
晩年の創作活動に興味があったので、とても勉強になりました。

富士越龍
1849年
北斎が亡くなった年の描き初め。絶筆に最も近いと言われている作品です。
見られてよかったな。富士がすっくと高い。稜線が凛としてきれい。天を見つめて昇っていく龍は北斎自身のようにも思える。

『肉筆画帖』鷹匠の鷹
1834-44年頃
丹念に描かれていて美しい。羽毛のようす、からだをねじってこちらを見遣る目、紺色の布の色合いもいい。赤い組紐がアクセントになっている。

日新除魔 十月十日
1842-43年
このシリーズ、初めて見ました。
より北斎の筆致を感じらておもしろいな。

東町祭屋台天井絵 鳳凰
1844年頃
以前から見てみたいと思っていたので、今回楽しみにして行きました。
上町祭屋台天井絵 男浪 と2作品並んで展示されています。とても近くでみられて贅沢でした。
版画もたくさんあります。
冨嶽三十六景
知ってる場所を見つけると、うれしくなる♪

冨嶽三十六景 隠田の水車
1831-33年頃
昔の渋谷川。こんな風だったんだ~。のどかだなあ。楽しい。
水車のしぶきの描き方が北斎独特でおもしろい。
作品数も多くて、見ごたえがありました。
すてきな展覧会をありがとうございました。
11/19-2020/1/19

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