シャセリオー展2017年02月27日


国立西洋美術館

シャセリオー展 19世紀フランス・ロマン主義の異才
国立西洋美術館へ行きました。

プレス内覧会に参加しました。
館内の写真は、展覧会主催者からの提供の公式写真です。


テオドール・シャセリオーは19世紀フランスの画家。
11歳でアングルの弟子となりました。古典主義から出発して、やがて師の元を離れロマン主義へ。モロー、シャヴァンヌなど多くの画家に影響を与えたました。
本国フランスでもまとめて作品を見ることは稀なんだそうです。
とても楽しみにして行きました。

今回は音声ガイドを利用しました。理解にとても役立ちました。ありがとうございました。



テオドール・シャセリオー
自画像
1835年
パレットが左上に描かれている。いい目をしている。


テオドール・シャセリオー
黒人男性像の習作
1837-38年
うまいな。力強い。背景の青空との対比がいい。アングルに指示されて描いたもの。師に言われたことはしっかり守って力作を描きつつ、彼のオリジナリティが加わっている。


テオドール・シャセリオークレオパトラの侍女
1845年
支援者ゴーティエは、ゆったりとした筆使いをポンペイから引きはがした壁画のようだと言った。
なるほど、昨年行ったポンペイの壁画展で見た絵のように優雅。
侍女の目にはキラッと涙が光っている。


テオドール・シャセリオー
アポロンとダフネ
1845年
空気が動いている。周りの木々もうねっているようだ。いいなあ。


テオドール・シャセリオー
サッフォー
1849年
すてき。構図もいい。強い目線。オリエンタルな雰囲気もあって、ロマンチック。





テオドール・シャセリオー
泉のほとりで眠るニンフ
1850年
大きな絵。恋人アリス・オジーがモデル、理想の女性を描いている。
描写が実に現実的で明らかにニンフじゃないよね。現実の女性。





テオドール・シャセリオー
カバリュス嬢の肖像
1848年
優しい色合いで華やか。輝いている。
目が透き通っている。きれいだ。


テオドール・シャセリオー
アレクシ・ド・トクヴィル
1850年
知的で優しそう。内面を丁寧に描いている。





アラブの人々を描いた作品もあった。
西洋の画家がエキゾチックに憧れて、見たことのない世界のきらびやかさを描いているのとは異なり、人々の内から出る力強さや美しさを描いているように感じた。




ブラウン・クレマン社会計検査院の建物のためのシャセリオーの装飾壁画の断片
1890年
写真で見ることができた。
24歳のとき4年をかけて、独力で描いた。残っていたら美しかっただろうな。


テオドール・シャセリオー
海から上がるウェヌス
1842年
初めての石版画。すてき。柔らかく、すい付きそうな肌。長いつややかな髪をしぼるしぐさ、伏せた目。



シャセリオー展、楽しかったです。

古典主義から、ドラクロワの影響も受け、ロマン主義へ。イタリア旅行、アルジェリア旅行、いろいろなものに触れて、自分のものにして独創している。

センスが新しいなあと思った。今見て現代風に感じる作品もあるから、当時はとても新鮮だったと思う。

ありがとうございました。すてきな展覧会に感謝です。



シャセリオー展 19世紀フランス・ロマン主義の異才
国立西洋美術館
2017年2月28日(火)~5月28日(日)




国立西洋美術館_外観