ルーヴル美術館展 ―地中海 四千年のものがたり―2013年09月13日

東京都美術館


ルーヴル美術館展 ―地中海 四千年のものがたり―

東京都美術館へ
内覧会に行きました。


今回の展覧会はテーマ「地中海」で時代を追って見ていける展示になっているという点が特徴的。
学生の頃世界史を選択していたのでおもしろそうと思いました。しかもルーヴル美術館の所蔵品でそれができるとはなんて贅沢なんでしょう。
楽しみにしていきました。



会場内の画像は主催者の許可を得て撮影・掲載しています。




会場に入ると古代の展示が目に入ってきます。
わくわくします。


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序 地中海世界 ─自然と文化の枠組み─


葡萄の房の形の耳飾り
シリアあるいはレバノン
100-300年
金。輝いてきれいです。金も葡萄の房のモチーフもすてき。


競技者に与えられるオリーヴ油を入れる黒像式アンフォラ:アテネの守護女神アテナ(A面)、競技者(B面)
アテネ、ギリシア
前323-前322年頃
大きいです。これいっぱいにオリーヴ油が入れられたらかなりの量だなあと思いました。豊さを感じます。


ボワッソー升(小麦を量る升)の形をした耳飾り
イダリオン(?)、キプロス
前700-前600年頃
小麦もモチーフにしてるんだあ。生活に密着しているということなんだろうな。


葡萄酒とオリーブ油と小麦があって、豊かな、実りある風土・文化を感じました。





第Ⅰ章 地中海の始まり ─前2000年紀から前1000年紀までの交流─


正座したシリア人乳母の形をした壺
エジプト
前1500-前1400年頃
赤茶。きれい。つやもあって、今の時代に作ったものみたい。年代を見て驚く。
楽しい。


床屋サバステトの小像:銘文には、戦争捕虜であった彼の奴隷を姪と結婚させ、その奴隷に家業(床屋)を継がせることが記されている
エジプト
前1450年頃
黒い。きれいです。前1450年頃のとある市民の生活、人生の一場面を目の前にしていると思うと時間の壮大な流れに感動します。


杯と碗
エジプト、トードの神殿で発見された宝物(シリア北部で制作?)
前1900年頃
杯が貝みたいな輝きをしていて素敵。銀。


柄と注ぎ口のついた容器、通称「ソース入れ」
ギリシア
前2200-前2000年頃
小さい持ち手に刻みの模様があります。
金。優美な曲線。金が美しくて全体に浮き上がって見えました。

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青地に白と黄の縞模様とジグザグ模様が施されたミニチュアのヒュドリア(水瓶)
ミュリナ(現アリアーア)、トルコ
前500-前200年
きれい。細かい。小さい。


持ち手のついたスキュフォス(酒杯あるいは献酒用杯)
アレクサンドリア(?)、エジプト
前300-前200年
あたたかいオレンジに淡いブルー。
ガラスがきれいだなあ。


鶏形アリュバロス(小型の香油入れ)
東地中海
前600-前550年頃
淡いブルー。かわいい。


魚形アリュバロス(小型の香油入れ)
東地中海
前600-前550年頃
こちらも淡いブルーでかわいい。鶏形のとお揃いなのかな。


エジプト王ラメセス2世の名が刻銘された水入れ
エジプトあるいはシリア
前1279-前1213年
そんな昔のものなんだあ、と感動。ラメセス2世が手に取ったかもと思うと、感慨深い。
光に当たってあたたかい淡いオレンジをしています。

ほんとに古いガラスが美しい状態で感激しました。


巨大彫像の断片:エジプトの聖牛アピスとギリシアの神々が融合して生まれた混合神セラピスの頭部
カルタゴ、チュニジア
150-250年
迫力あります! 髪とひげがぐるんぐるん。石が乳白色でキラキラ美しい。大理石。
文化が交ざりあっているんですね。





第Ⅱ章 統合された地中海 ─ギリシア、カルタゴ、ローマ─


指輪:ファラオでありギリシア王として表されたエジプト王プトレマイオス6世フィロメトル (在位前163-前145年)
エジプト
前150年頃
金たっぷりで豪華だあ。たいへん輝いています。


ひげのある男の頭の形をしたペンダント
カルタゴ、チュニジア
前350-前200年
かわいい。コアガラス。フェニキア人のもの。
フェニキア人は海上交易をしてフェニキア文字はアルファベットになったと世界史で習いました。 彼らの芸術作品に具体的に触れたことはなかったので目の前にあるものにどきどき感激しました。
なんとも言えないユーモアのあるいい顔をしています。好きだなあ。

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髪留めの頭部分:女性の顔で両面を飾られたメダイヨン
マイアンドロス河畔のマグネシア、現トルコ
前300-前200年
フェニキア人のもの。鋳造ガラス。
小さいです。深いブルーに輝いている。神秘的。


彫像断片:最高神官としてのローマ皇帝アウグストゥス(在位前27-後14年)の肖像
ローマ(?)
前27年頃
すてき! 大理石。端正な顔立ち。品があります。かしこさが内から表れている印象。締まってる。好きです。

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水槽の床モザイク(?):魚のいる海の中でイルカと遊ぶキューピッドたち
ウティカ、チュニジア
250年頃
イルカがキラキラしてきれい。みずみずしい。躍動感があるんです。


哲学者、政治家、文芸庇護者であったギリシア人ヘロドス・アッティクス(100-177年)の胸像
アテネ地方、ギリシア
162年頃
表現力に感服しました。気むずかしい性格なのかな。思慮深く頭良さそう。どんなひとなのかな、というのがとても伝わってきます。大理石。





第Ⅲ章 中世の地中海 ─十字軍からレコンキスタへ(1090-1492年)─


恋する男女が描かれた杯:剣を振りかざす騎士とその恋人
キプロス
1300-1400年頃
男女がかわいいな。





第Ⅳ章 地中海の近代 ─ルネサンスから啓蒙主義の時代へ(1490-1750年)─


煙草入れ
ガブリエル・ガロワ(金銀細工師 仏 1714-57)
1738-39年頃
とってもきれい!ヨーロッパで作られたオリエント向けの品です。
金、エマイユ、ダイヤモンド。
ピンク白の花。かわいい。ダイヤがゴージャスです。
美しいなあ。好き。

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第Ⅴ章 地中海紀行 (1750-1850年)


アルテミス:信奉者たちから贈られたマントを留める狩りの女神、通称「ギャビーのディアナ」
ギャビー(現オステリア・デル・オーザ)、イタリア
100年頃
マントを着て、肩で留めようとしている様子。
サンダルがかわいい。服が石で出来てると忘れてしまう。ギャザーがたくさんよっていてたおやか。

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トロイアの王子パリス
ティヴォリ、イタリア
130年頃
少し気だるそう。そこが返って人間味がある感じがしていいな。

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隣にこの彫刻を発掘した画家ハミルトンの絵画も展示されていました。
彫刻と絵画が一緒に展示されているのは、この展覧会ならではの光景です。ルーヴル美術館8部門が結集した今回の展覧会のみどころのひとつです。



ハイディ:ギリシアの若い娘、イギリスの詩人バイロン卿(1788-1824 年)による『ドン・ジュアン』の登場人物
ジャン=バティスト・カミーユ・コロー(仏 1796-1875)
1870-72年頃
物憂げな視線。ふんわりしたタッチで描かれています。コローは好き。

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モロッコの踊り子たち:薄布の踊り
テオドール・シャセリオー(仏 1819-56)
1849年
軽やかだなあ。






時間も遅くなってひとけがなくなってきた美術館。

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大昔イタリアにあった彫像が、現代ルーヴルにあって、いま目の前でこの東京に立っているという現実に不思議な感覚になりました。雄大な時の流れを感じ、その一部に自分が立ち会っていることに感動です。

ふと、深夜誰もいなくなったとき、遠くまで来たよねーそうね、なんて話し声が聞こえてきそう。なあんて思ったりして。



楽しかったです。歴史のロマンを感じました。

すてきな作品たちを見られる展覧会をありがとうございました。






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RICOH GR にて撮影。



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【特別展】ルーヴル美術館展 ―地中海 四千年のものがたり―
会期:2013年7月20日(土)~ 2013年9月23日(月・祝)
会場:東京都美術館 企画棟 企画展示室
開室時間:9:30~17:30(入室は17:00まで)
夜間開室:金曜日9:30~21:00(入室は20:30まで)
休室日:毎週月曜日、9月17日(火)(ただし、9月16日(月)、23日(月)は開室)
ルーヴル美術館展 ―地中海 四千年のものがたり― | 東京都美術館 企画展示室 | 2013年7月20日(土)~9月23日(月・祝)
東京都美術館

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