川合玉堂展 ― 2013年06月22日

生誕140年記念 川合玉堂
―日本のふるさと・日本のこころ―
山種美術館へ内覧会に行きました。
竹内栖鳳展のブロガー内覧会の時も参加させていただきました。
山崎館長のギャラリートークもうれしい。
今回も楽しみにして行きました。
玉堂の作品を一度にたくさん見るのは初めてです。
写真は美術館より特別な許可を得て撮影・掲載をしております。
鵜飼
1895(明治28)年
なんと21歳の時の作品です。
鵜が扇状に広がって動いて、まさに生きているよう。活気があります。
鵜飼は玉堂が少年時代を過ごした岐阜・長良川の風物です。
会場には鵜飼の絵が数点ありました。
写生帖も見ていて楽しい。
若い頃の写生のうまいこと!そして研究熱心なんだなあと思いました。
写生画巻「花鳥 15歳写生」
1888(明治21)年
鳥をよく観察して羽の一枚一枚まで丹念に描き込んでいます。細かいです。
写生帖「縮図写生」
1891(明治24)年頃
18歳のころ。応挙の犬の模写がかわいい。うまいなあ。
いろいろな先人のエッセンスを学んでいったのですね。
好きだなあと思った作品です。
早乙女
1945(昭和20)年
あぜ道はたらし込みという日本画の技法で描かれています。構図も絶妙。
田植えをする女性たちが和やか。
朗らかな空気が流れています。見ていて笑顔になりました。
女性が歌でも歌っていてこちらに聞こえてきそう。
氷上(スケート)
1953(昭和28)年
すーーっと氷上を滑ってきて目の前に止まる女の子。
線の軽やかさもすてき。
可愛い。好きです。
「動物をいつくしむ」のコーナーには愛らしい動物がたくさん。
玉堂の動物に対する優しいまなざしを感じました。
双馬
1954(昭和29)年頃
躍動感があっていいです。2頭一緒で仲良さそう。好きだなあ。
金がうまく使われている作品がありました。
二日月
1907(明治40)年
静かです。
細い二日月に照らされた木。そこに金が使われています。
鵜飼
1939(昭和14)年頃
66歳頃の作品。
炎が金で表現されています。
かがり火の炎、舞う火の粉、そして火に照らされて輝く川面、岩。
空気にも金が散っている。金が輝いて浮き上がって本当に暗い中の炎の輝きに見えるんです。近づいて観察すると楽しい。
雨や水の音が聞こえそうな作品もよかったです。
瀑布
1909(明治42)年頃
目の前に大きな滝。見ていていい気持ちになりました。
水声雨声
1951(昭和26)年頃
流れ落ちる水の音が聞こえてきそう。
右上の雨にうたれる木々から左下へ向かう構図もいいなあ。全体が濡れて滴っている感じ。
「春風春水」、「山雨一過」は色がきれいです。
春風春水
1940(昭和15)年
春の緩んだ水の色。いい色。
俯瞰した構図、少し斜めの切り取り方が、舟を操る人の動きを感じさせます。巧みです。
山雨一過
1943(昭和18)年
雨上がりの山の緑色が目を引きます。
山道をゆく人が奥行を感じさせます。
「春風春水」、「山雨一過」、「朝晴」などは、構図も興味深かったです。日本画は平面的、簡略的な表現のイメージが強いので、俯瞰していたり遠近法がはっきりしていたりして新鮮でした。
朝晴
1946(昭和21)年
山の尾根を行く人と馬。前景に大胆に松の木々。後景に遠い山脈。
景色が折り重なっています。
玉堂は俳句や書もたしなんでいました。作品の横に俳句が紹介されているものもあります。一緒に見られるのはうれしい。玉堂の世界がより感じられます。
玉堂の作品をたくさんを見て、いろいろ発見がありました。
豊かな日本の風景を優しく描いている作品が好きです。
楽しい展覧会でした。
鑑賞のあとはカフェ椿の和菓子をいただきました。
「さおとめ」を選びました。
おいしかったです。ごちそうさまでした。
今回の川合玉堂展は6月30日の日曜美術館で取り上げられるそうです。
こちらも楽しみ♪
山崎館長ともご挨拶できてよかったです。
すてきな企画をありがとうございました。感謝です。
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【特別展】
生誕140年記念 川合玉堂
―日本のふるさと・日本のこころ―
会期:2013年6月8日(土)~8月4日(日)
〔一部展示替 前期:6/8~7/7 後期:7/9~8/4〕
会場:山種美術館
開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日: 毎週月曜日 (但し、7/15は開館、7/16休館)
日本画の専門美術館「山種美術館」
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