ヴァロットン展2014年06月25日


三菱一号館美術館


ヴァロットン ―冷たい炎の画家
三菱一号館美術館へ行きました。

内覧会に参加しました。

写真は主催者より特別な許可を得て撮影・掲載しています。



ヴァロットンの「ボール」は、2010年7月に、国立新美術館のオルセー美術館展でみたことがあります。
版画作品は、2013年10月、三菱一号館美術館の三菱一号館美術館名品選2013 で複数みました。
今回は他にもさまざまな作品がみられるので楽しみにしていきました。





まずは館長さんからご挨拶。
学芸員さんの作品解説も興味深い。ありがとうございました。
勉強になりました。


そして各自鑑賞しました。






印象に残った作品の感想です。

Ⅰ 線の純粋さと理想主義

20歳の自画像
1885年
20歳の眼差しがいい。
せつなく思慮深い青年の想いが伝わってくる。




眠る画家の母、横顔
1887年
とてもデザイン化されている。それでいて母への愛情も感じられる。すてき。洗練されている。
22歳の時の作品かぁ。
デッサン力もすばらしい。




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Ⅱ 平坦な空間表現


ワルツ
1893年
ワルツの踊りに酔いしれている女性、くるくるとまわってうっとりした表情。
ワルツを踊っている人たちを見ていると、こういう感覚わかるなあ。
視覚と感情を、そのまま絵画にした作品、と感じた。




ボール
1899年
麦藁帽子の白い服の女の子が赤いボールを追いかけている。
強い日差し、強いコントラスト、深い緑が真夏を感じさせる。
追いかけていく女の子。真夏の少女時代の刹那を感じる。
白昼夢のような、あれは夢だったのかと思えるような幼き日の瞬間。
あちらは大人の世界。




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Ⅲ 抑圧と嘘

貞節なシュザンヌ
1922年
妖しい目。
題名はいやみを言っている。



5時
〈アンティミテ〉Ⅶ
1898年
題名と交えて意味深。
タイトルによって意味が膨らむなあ、ヴァロットンの創造性に感服。
黒の線と面で表している。
垣間見えるところが洒落ている。また、ヴァットンと共に目撃者になる。




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Ⅳ 「黒い染みが生む悲痛な激しさ」

学生たちのデモ行進
〈息づく街パリ〉Ⅴ
1893年
平面的に捉えた構図。浮世絵の影響が感じられる。
白の中、斜めに横切る黒が印象的。



ヴァロットンはいろいろな影響を受けつつ、いろんな技法を身につけつつ、
描く対象にも込めた意味にも彼の個性がはっきり表れている。
独自の世界を表現している。
主張や想いをとても感じます。





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怠惰
1896年
黒地に白抜きのように描かれた女性のしなやかな体が印象的。
猫に手を伸ばし、猫はそれに応えて伸びいて戯れている。
女性の手から伸びる猫の白抜きが柔らかくしなっている。
気だるい雰囲気。





ギター
〈楽器〉Ⅴ
窓辺でギターを弾く男性。
しゃれてる。
うまいなあ。
楽器のシリーズは黒が多めなので直に見た方がすてきだと思う。









Ⅴ 冷たいエロティシズム

正面から見た浴女、灰色の背景
1908年
からだの実在感がすごい。
女性のからだへの敬意のようなものさえ感じさせる。




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Ⅵ マティエールの豊かさ

海からあがって
1924年
ブルーの瞳にブルーのドレス、ブルーのテーブルクロス。
ブルーの瞳がはっきりとこちらを直視していて驚いた。ゆったりとしたドレスは肩が片方落ち、よく焼けた肌はあらわになっている。
しっかりした構図で美しく描き込まれていて透明感さえ感じる。力強い。
タイトルもすてき。物語を想像させる。



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Ⅶ 神話と戦争

室内着の自画像
1914年
しっかりものを見つめる眼差し。
内面を伝えるいい自画像だな。
若き日の自画像と晩年の自画像、両方みられてよかった。



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ヴァロットンの様々な作品を見ることができました。
とても充実した展覧会でした。
晩年の描き込まれた作品は初めて見たのでうれしかったです。







三菱一号館美術館のコレクション―ヴァロットンとナビ派の芸術家たち

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この部屋がよかった。



ピエール・ボナール
1899年
夕暮れの広場
〈パリ生活の小景〉
浮世絵的な印象。
平面的に影が混ざっている。また影が浮き上がっている。



オディロン・ルドン
日の光〈夢想(わが友アルマン・クラヴォーの思い出のために)〉Ⅵ
1891年
こちら窓のなかは暗く静的で止まった世界、
窓の外は植物が風に優しく揺れる生きている世界。その世界の乖離、せつない気持ちが伝わってくる。



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楽しかったです。
前売券もかってあるのでまた行きます♪
ゆっくりじっくり見て回りたいと思います。


ありがとうございました。








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ヴァロットン ―冷たい炎の画家
会期:2014年6月14日(土)~9月23日(火・祝)
会場:三菱一号館美術館
開館時間:10:00 ~18:00
(金曜(祝日除く)のみ20:00まで)
※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜休館
(但し、祝日・振替休日の場合は開館/9月22日(月)は18時まで開館)

ヴァロットン展 ―冷たい炎の画家 三菱一号館美術館(東京・丸の内)


MITSUBISHI ICHIGOKAN MUSEUM




RICOH GRにて撮影。






夕暮れ時2014年06月25日


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ヴァロットンの影響を受けて♪


RICOH GR にて撮影。