ルーベンス展 『ブロガー・スペシャルナイト』 ― 2013年03月13日
『ブロガー・スペシャルナイト』へ参加してきました。
宮澤政男(Bunkamuraザ・ミュージアム チーフキュレーター
×小林悠(TBSアナウンサー)
数々の大作に囲まれながら、なんて贅沢なんでしょう。
例えば、トロイ戦争の絵「ヘクトルを打ち倒すアキレス」について。
人物は躍動感があってルーベンスの手によるものだとわかります。両脇の石像は違うんじゃないか、ということです。見ると中央の人物に比べて石像がとても平面的なんですよね。本物を目の前にして解説していただくと、実にわかりやすいです。また、「復活のキリスト」の左上にいる天使は弟子によるものではないかということです。
工房での絵画制作は効率的に行われていたんだなあ。
版画は遠くにある図像を身近なものにする重要なものだったそうです。というのはこの時代、普通のひとは絵は教会で見られるくらいだったから。版画にはそういう役目があったんですね。
ルーベンスは勝手に制作されないようにいくつか版権も取得していたそうです。
商才に長けていたのだなあと思いました。
「毛皮をまとった婦人像」(ティツィアーノ作品の模写)についても盛り上がりました。この絵のあと、ルーベンスは自分の若い妻をモデルに「毛皮ちゃん(ヘット・ペルスケン)」を描いています。小林アナウンサーが笑いながら「毛皮ちゃん」ってなんですか、しかも裸に毛皮ですよ~といい宮澤学芸員は「訳の問題じゃないかな(汗)」と答えていました。楽しかったです。
ルーベンスは私生活も充実していて、万能なひとだったようです。
最後におふたりのお気に入りの一枚を教えてくださいました。
ブログで紹介してほしい宮澤学芸員のお気に入りの一枚は「ロムルスとレムスの発見」。視線がぐるっと一周するところなど注目して欲しいとのとこです。
美術史専攻だった小林アナウンサーのお気に入りは、アントーン・ヴァン・ダイクの「悔悛のマグダラのマリア」。
宮澤学芸員いわく、ルーベンスはその時代の天才。豊穣、躍動感は次に受け継がれていっていると思う、子供の顔などルノアールへの流れになっているのではないか、とのことです。
ありがとうございました。
座談会のあとは鑑賞会でした。
ルーベンスについてお話を聞いたので理解が深まりそうです。
「ロムルスとレムスの発見」
存在感のある絵です。
大きい!天井くらいまでもあります。
この一枚のなかに物語が描き込まれていて、すてきだなあと思いました。
キリストが輝いています。
座談会でのお話によると、ルーベンスは自分好みに元の絵よりふくよかにしてしまってるそうです(笑)。目が大きくてクリッとしています。
頭部の習作なども興味をひかれました。
版画の展示。
印象に残った作品。
ペーテル・パウル・ルーベンス
《兄フィリプス・ルーベンスの肖像》
1611年頃
うまい。品がある。少し甘いおっとりした印象。
顔の凹凸、華や口ひげの立体感。唇はぷくっとしている。
ペーテル・パウル・ルーベンス
《眠る二人の子供》
1612-13年頃
国立西洋美術館の常設展示で何回か見たことがあります。
かわいらしい。
《悔悛のマグダラのマリア》
やわらかくて生々しい。ぞくっとしました。
目とまわりが充血で赤い。頬も。
感涙しています。
涙は大粒で美しく描かれていて、ドラマチックな印象を与えるよう描いているように感じる。
ヤン・ブリューゲル(子)
《エヴァの創造の見える楽園の風景》
1630年代末
たくさん動物や鳥がいて見ていて楽しいな。
好きです。
有意義な時間を過ごすことができました。
すてきな機会をいただいたことに感謝しています。
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ルーベンス
栄光のアントワープ工房と原点のイタリア
2013/3/9(土)-4/21(日)
会期中無休
10:00-19:00
毎週金・土曜日は21:00まで
(入館は各閉館の30分前まで)
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